目的
この研究の目的は、オンライン調査のゲーミフィケーションに関する先行研究の以下 3 つの問題点を解決することである。
- 作成の労力
- ゲーミフィケーションを適用したオンライン調査の作成の労力が非常に大きい。
- 回答の質への影響
- ゲーム要素が回答の質を下げる場合がある。
- ランキングの効果が不明
- ランキングがオンライン調査において有効であるかが示されていない。
以上の目的の達成のために、ビンゴを活用したオンライン調査フォームの雛形を開発した。この雛形または雛形を使って作成するアンケートをビンゴアンケと呼ぶことにする。
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ビンゴアンケの概要と開発の意図
ビンゴアンケは、ビンゴをプレイしながら回答を進められる、設問を挿入するだけでフォームを完成させることが可能な、オンライン調査フォームの雛形である。
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ビンゴアンケのゲーム要素ビンゴアンケでは各設問の回答後にビンゴの抽選を行うことができ、ビンゴをプレイしながら回答を進められるようになっている。
以下のようなゲーム要素が活用されている。
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即時フィードバック- 設問に回答すると抽選を行うためのボタンが赤く色づく
- そのボタンを押すと抽選が始まる
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報酬- 回答すると抽選権が得られる
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ランキング- ビンゴ数などによる順位付けにより、他のプレイヤー(回答者)を意識させる
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ビンゴこれらにより、アンケート回答者の回答意欲を向上させ、またアンケートが楽しく回答できるものになることを目指した。
活用するゲームとしてビンゴを着想した理由に以下がある。
- 設問ごとに報酬を与えられるゲームを検討した際に、回答終了時にゲームの総合結果としてビンゴカードの状態を示すことが可能なビンゴというゲームが適役であると考えたため
- 先行研究で回答値に有意差を生んだ「アバターを操作して回答する」というような回答行為そのものにゲーム要素を適用されたものとは異なり、回答後の報酬としてゲーム要素が活用されることで、ゲーム要素による回答値への影響を免れることが期待されるため
- ビンゴが広く知られるゲームであり、回答者が仕様の把握に手間取らないと予想されるため
- 回答者がゲームを体験するために要する行為が、回答後にビンゴの抽選の開始ボタンを押すだけであり、UI・操作が単純・簡単だと考えられるため
以上から、ビンゴと調査フォームとの相性は抜群であると考えられる。
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雛形である意図ビンゴアンケでは、設問を挿入するだけで調査フォームを完成させられる。これにより以下の利点がある。
- ゲーミフィケーションを適用した調査フォームについて、構想を練り、開発するという手順が不要になり、作成の時間と労力が大幅に削減される。
- アンケート実施者は様々な目的に応じた調査フォームの作成が可能である。
- ビンゴアンケは先行研究で回答値に影響を与える要因とされたゲーム要素を排除して設計されており、かつ設問のみを挿入して使う雛形であるため、新たなゲーム要素を追加することができないという点で、ゲーム要素による回答値への影響を免れると考えられる。
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実験の目的実験の目的は以下 3 つの項目の検証である。
- ビンゴアンケの有効性
- ビンゴアンケにおけるランキングの有効性
- ビンゴアンケにおけるゲーム要素の回答値への影響
ここでいう有効性とは、その活用により従来型アンケートよりも回答者の回答意欲が向上したり、アンケートがより楽しく回答できるものになることを指す。以上の目的の達成のために、以下 3 条件下での対照実験を行った。
- 従来型のアンケート
- ビンゴアンケ(ランキングなし)
- ビンゴアンケ(ランキングあり)
被験者は以上のアンケートのうち 1 つに回答する実験アンケートとその評価を行う評価アンケートに回答した。そこで得たデータから、ビンゴアンケ・ランキングが有効であるか、ゲーム要素が回答値に影響を及ぼしていないかを検証した。